松尾芭蕉 歌仙「さみだれを」の巻

元禄二年作

実物の真蹟歌仙は個人蔵。

おくのほそ道」の旅で、五月二十九日に一巡四句が詠まれ、引き続き翌三十日に三十二句が補われ、上の四吟歌仙「さみだれを」が満尾した。下は、曽良が「俳諧書留」に記したものだが、一部に真筆と内容の異なる箇所が見られる。
曽良「俳諧書留」中の歌仙「五月雨を」の巻
 大石田、高野平右衞門亭ニテ
五月雨を集て凉し最上川   翁
岸にほたるつなぐ舟杭    一栄
爪畠いざよふ空に影待て   ソラ
里をむかひに桑の細道    川水
うしの子に心慰む夕間暮   一栄
水雲重しふところの吟    翁
佗笠を枕にたてゝ山颪    川水
松むすびをく国の境め    ソラ
永楽の古き寺領を戴て    翁
夢とあハする大鷹の紙    一栄
たき物の名を曉とかこちたる ソラ
爪紅うつる双六の石     川水
卷揚る簾にちごの這入て   一栄
煩ふ人に告る秋風      翁
水かハる井手の月こそ哀なれ 川水
碪打とて撰ミ出さる     ソラ
花の後花を織する花莚    一栄
ねハんいとなむ山陰の塔   川水
  
穢多村はうき世の外の春富て  翁
刀狩する甲斐の一乱      ソラ
八重葎人も通らぬ関所     川水
もの書度に削ル松の風     一栄
星祭ル髪ハ白毛のかるゝ迄   ソラ
集に遊女の名をとむる月    翁
鹿苗にもらふもおかしぬり足駄 一栄
柴売に出て家路忘るゝ     川水
ねむた咲木陰を昼のかげろいに 翁
たえだえならす万日のかね   ソラ
古里の友かと跡をふりかへし  川水
ことば論する船の乗合     一栄
雪みぞれ師走の市の名残とて  ソラ
煤掃の日を草庵の客      翁
無人をふるき懐紙にかぞへられ 一栄
やまめがらすもまよふ入逢   川水
平包明日も越べき峯の花    翁
山田の種を祝ふ村雨      ソラ

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